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文理選択の決め方・後悔しない道は?理系文系の違いを踏まえて解説!
目次
高校に入学して間もないのに、「秋までには文系か理系か決めてください」と先生に言われ、戸惑っている人も多いのではないでしょうか。「まだ将来の夢なんて決まっていない」「得意科目だけで決めていいの?」と不安になるのは当然のことです。
確かにこの選択は、その後の人生を左右する重要なイベントです。しかし、だからといって「失敗は許されない」と必要以上に追い詰められる必要はありません。
この記事では、文理選択を「人生の最終決定」ではなく「今の自分にとって最良の仮決定」と捉えるための考え方と、後悔しないための具体的な戦略・時期について解説します。
文系理系というくくりは日本にしかない
そもそも文系理系というくくりは日本にしかない概念です。文系理系の英語訳はないのをご存知でしょうか。無理やり「Science and Literature」と誤訳されることが多いですが、さてここであなたは「science」という言葉を聞いて、文系と理系のどちらのイメージを抱きましたか?
日本の教育を受けてきた多くの方は理系のイメージがあるのではないでしょうか。「science」=「科学」=「学問」です。つまり文系も「科学」ということになります。(literatureは単純に文学という意味です。文系という意味はありません。)
アメリカを始め諸外国では大学入学後1〜2年間教養を学びます。つまり好きな授業を自由に受講できます。そして3学年目に自分の専門としたい「学部」を決めるのです。一度文系理系を決めてそこから学部を決めるということはありません。そもそも文系理系という概念がないからです。
海外の多くの大学では、大学に入ってから文理や学部を選びますが、日本では海外、特にアメリカの大学生たちとは異なり、将来や世の中、学問に関する情報が圧倒的に不足している状態で文理や学部を選ばなければなりません。つまり、自ら人生やキャリアについて悩み、そして自ら情報を得ていく努力(例:周りの大人に聞く、など)をしなければならないのです。
周りに社会人経験豊かな大人がいない場合やロールモデル(目標や参考になる人)になるような人がいなければそういった大人から直接コーチングを受けられるサービスを検討するとよいでしょう。
手前味噌ですが、はたらく部では進路やキャリア、自分のことについて深掘りをしていく体験を提供しており、多様な経験している「師匠」であるコーチと出会ったことで人生が変わったといような言葉をいただいております。私自身もそのような考え方や人生が変わった受講生の一人です。
文理選択が「人生の岐路」と言われる理由
この早期の文理選択が単なる科目の好き嫌いの意味を超え、人生の岐路とまで言われるのには大きく2つの理由があります。
受験科目が変わる
最も直接的な影響は、大学入試に必要な「受験科目」が決定的に変わることです。理系を選択すれば「数学Ⅲ」や「理科2科目(物理・化学など)」が必修となり、文系を選択すれば「地歴公民(日本史・世界史など)」を深く学ぶことになります。
怖いのは、「やっぱりあっちの学部を受けたい」と思った時のリカバリーが非常に難しい点です。例えば、文系クラスに進んだ後に「医学部に行きたい」と思っても、授業で扱わない数学Ⅲや理科を独学で習得するのは至難の業です。つまり、文理選択をした時点で、受験できる大学・学部の選択肢が物理的に絞られてしまうのです。
なりやすい職業が変わる
大学での学びが変われば、当然その先に続くキャリアも変わります。理系に進めば、エンジニア、医師、薬剤師、研究職といった専門職への道が開かれやすく、文系に進めば、営業職、マーケティング、法務、コンサルタントといったビジネスの最前線や、弁護士、公認会計士などを目指す人が多くなります。
もちろん、理系出身の文系就職(文系職種につくこと)は比較的容易ですが、その逆は高いハードルがあります。高校1年生の段階での選択が、10年後、20年後の「職業人生のレール」を大きく敷くことになるのです。
文系理系はいつごろ考えればいい?学部選択と切り離しては行けない理由
「まだ大学のことなんて分からないから、まずは文系か理系かだけ決めよう」と考えていませんか? 実は、その考え方こそが後悔の元です。文理選択で失敗しないための鉄則は、「文理選択と大学・学部選びを同時に行うこと」です。
なぜなら、文理選択は単なるクラス分けではなく「行きたい学部に行くための切符選び」だからです。多くの人が「得意科目」だけで文理を決めてから、その後に学部を探そうとします。しかし、これを別々のタイミングで行うと、以下のようなミスマッチが起こりがちです。
- 「数学が得意だから理系」と決めたが… → 本当にやりたかったのは「経済学(文系)」だった。経済学は数学を多用する学問だが、理系クラスに進むと受験科目の負担が変わってしまい、遠回りになることがある。
- 「国語が好きだから文系」と決めたが… → 興味があった「建築」や「看護」は、実は理系科目が必須の大学が多く、高2で気づいたときには手遅れになっていた。
このように、学部を決めずに文理だけ先に決めてしまうのはもったいないです。高1の春から夏にかけては、得意科目の分析と並行して、世の中にどんな学部があるのかを調べる必要があります。文理選択は、あくまで学部へ進むための手段です。高1の早い段階から「学部選び」という目的とセットで考えることで、初めて納得のいく選択が可能になります。
後悔しない文理選択のやり方【3選】
将来の夢やなりたい職業から逆算する
これは最も堅実で、失敗の少ない選び方です。なぜなら、世の中には「理系に進まないと就けない職業」や「文系の方が有利な職業」が明確に存在するからです。
例えば、医師、薬剤師、看護師などの医療従事者や、建築士、エンジニアになりたい場合、大学の「理系学部」で特定の単位を取ったり、国家試験の受験資格を得たりする必要があります。もし、これらを目指しているのに高校で「文系」を選んでしまうと、大学受験で必須となる数学Ⅲや理科科目を履修できず、スタートラインに立つことすら難しくなってしまいます。
一方で、弁護士、公認会計士、税理士、あるいは商社マンや銀行員などを目指す場合は、法学部や経済学部などの「文系学部」に進むのが王道ルートです。もちろん、「ゲームクリエイターになりたい」というように、プログラミング(理系)とシナリオライティング(文系)の両方の側面がある職業もありますが、まずは「自分が憧れている職業は、どの学部に進めばなれるのか?」を調べてみてください。「職業名 なり方」「職業名 大学 学部」で検索すれば、必須となる文理の方向性がすぐに見えてくるはずです。
大学で学びたい学問分野を探す
文理選択において大事なのは、なんとなく数学が得意だから理系、国語が得意だから文系と決めるのではなく「大学で何を学びたいか」を基準にすることです。
「数学が得意だから理系」「国語が好きだから文系」という教科の好き嫌いだけで決めてしまうと、大学入学後に「やりたいことと違った」というミスマッチが起こりやすくなります。なぜなら、高校の教科はあくまで基礎であり、大学の「学問」への入り口に過ぎないからです。
幸せな自分の状態を想像し、それに必要な要素を考える
人から認められたとき、人から感謝されたとき、趣味に没頭しているとき、安心しているとき、お金をもらったとき、好きなことをしているとき、友達といるとき、など幸福の形は千差万別です。その幸福を得るために必要な学びはなんでしょうか。
例えば、「人生をかけて趣味に没頭していたい」という幸せを求めるときに必要な環境はなんでしょうか。住んでいる地域や仕事、年収が環境を決めるかもしれません。できるだけ趣味に時間を割くためには時間に対する報酬額が高い方がいいですし、趣味がなんであれ住んでいる地域によって利便性が変わることでしょう。
そのように考えると将来の自分の姿が少しずつ見えてくるかもしれません。おぼろげながらも見えた姿から大学での学びをどうしたいのか、考えてみるのもよいでしょう。
あまり良くない文理選択の方法
よく保護者の皆様から聞く言葉として、「うちの子は数学が苦手だから文系かな」あるいは「数学が得意だから手に職つけるために理系にしたら?」というような言葉を聞くことがあります。実はこの言葉が子供たちの視野を狭めている可能性があるので要注意です。
生徒たちは保護者の意向に意識的であれ無意識的であれ影響されています。それが最終的に自己評価につながり自分自身を決めつけてしまうことになるのです。まずはまっさらな状態から学部やそこから広がる人生の可能性について調べてみましょう。
先入観のある状態ですと、どうしてもできる、できないが先に頭によぎってしまい心から自分が求める欲求が見えにくくなってしまいます。まっさらな心境で調べた結果から単純に興味のあることや好きなこと、魅力的なこと、なんとなく気になることが出てきたら、どうしてそれを感じたのか自分なりに分析してみましょう。それが自己理解へとつながり納得のいく未来の礎を築いてくれることでしょう。
数学が苦手であっても克服した生徒はいくらでもいます。逆に数学が得意でもやりたいこととミスマッチしていたことに気づいて文転をした生徒もいます。できるできないではなく、何をしている自分が好きになれるのかを真正面から考えてみて下さい。
文系の学部
文学部系統
文学部を一言で表すと、「人間と文化を探求する学問」 です。言葉、歴史、思想、芸術など、人間が生み出してきた多様な文化を深く掘り下げ、多角的な視点から物事を捉える力を養います。思想系、歴史系、言語文化系、行動科学系に分類されます。文学部と聞いて、「文学を研究しているのかな?」と思う人も多いですが、実際は人間と文化について扱う学問です。
例えば九州大学文学部のHPに次のような記載があります。
「汝自身を知れ(グノーティ・セアウトン)」。これは、古代ギリシアの都市デルフォイ、そのアポロン神殿に刻まれていた格言の一つです。人間が、人間自身を知ること——これこそ文学部の使命であると言えましょう。
文学部では史料、哲学書、文学作品、芸術作品、古地図といったテクストを通して、挫折と希望の人間の歴史を学びます。例えば、講義やゼミで、芸術作品を見る、画家自身や画家をとりまく環境についての文献、先行研究や論文を読むといったことを通して、眼前の作品の持つ美術史的/歴史的な価値や位置づけを考えたり、現代の視点から再解釈・再評価したりする力が得られます。
文学部での学びは「人間はどういう存在か」「人間はどう生きるべきか」「幸せとは何か」などといった科学では答えられない問いに答える手がかりを与えてくれます。工学部や経済学部に比べれば、直接社会人として活かせるスキルはあまり学べないかもしれませんが、そもそも役にたつかどうかは学問に求められていないのではないでしょうか。
向いている人
- 読書や美術館巡りが好きな人:例えば、物語や歴史、芸術に触れることが好きで、その背景にある「なぜ?」を深く知りたいという知的好奇心がある人。
- 物事をじっくり考えるのが得意な人:例えば、流行や表面的な情報に流されず、自分の頭で深く考えを巡らせることに面白さを感じる人。
- コミュニケーション能力を高めたい人:例えば、言葉の持つ力や、人と人とのコミュニケーションのあり方に興味がある人。文学部で培われる読解力と表現力は、人間関係を円滑にする上でも役立ちます。
外国語学部系統
外国語学部は、英語だけでなく、中国語、フランス語、スペイン語など、特定の言語と文化を深く学びます。大学にもよりますが、単に言葉を習得するだけでなく、その国の歴史や社会、人々の考え方まで理解することを目指すことが多いようです。
例えば、外国語学部でスペイン語を学ぶ学生は、スペインの歴史やフラメンコ音楽の背景、さらには貧困問題といった社会問題についても学ぶ機会があります。ここで大事なのは「その外国語を学んで何をするのか」ではないでしょうか。ただ外国語を話せるようになりたいという目的ならば、留学をする・独学で勉強するという選択肢もあり、そちらの方が効率よく喋れるようになる可能性もありますよね。外国語を文化として研究できることが外国語学部の魅力です!
向いている人
- 外国の言葉や文化に強い興味がある人:例えば、特定の国や地域について、言葉だけでなく、その国の映画、音楽、料理などにも関心がある人。
- コミュニケーションをとるのが好きな人:例えば、言葉の力を使って、さまざまな背景を持つ人々と交流したいと考える人。
- 探究心が旺盛で、知的好奇心がある人:例えば、外国の文化や社会の「なぜ?」を深く掘り下げて探求したい人。
教育学部系統
教員免許の取得を目指すだけでなく、子どもの成長や教育の仕組み、心理学などを学びます。教員になること以外にも、教育関連企業や公務員など、幅広い進路があります。一般的には教員養成系と教育学系に別れており、教育養成系では基本的に教科ごとにコースが別れており、必ず教育免許を取得できます。一方教育学系では教育学を専攻し、教育や人間の発達のすべてを研究の対象としています。
向いている人
- 教育に強い興味がある人:例えば学校教育や塾、家庭での教育など、さまざまな教育のあり方について関心がある人。
- 人の成長をサポートしたい人:例えば 他者の成長を間近で見守り、その手助けをすることに喜びを感じる人。
- 教えることが好きな人:例えば自分の知識や経験を分かりやすく伝え、相手の理解が深まることにやりがいを感じる人。
- 人間や社会に興味がある人:例えば 教育の歴史や社会的背景に関心があり、教育を通じて社会をより良くしたいと考える人
法学部系統
法律や政治について学びます。社会のルールや仕組みを理解し、論理的に物事を考える力が身につきます。公務員や法律家を目指す人だけでなく、一般企業でも重宝される論理的思考力を養えます。例えば税理士については、商学部・経済学部・法学部で税理士試験の基礎となる授業が受けられるので、少しでも税理士に興味があるならばこれらの学部への進学を視野に入れるべきです。
向いている人
- 社会のルールや仕組みに興味がある人:例えば法律がどのように私たちの生活を支えているのか、なぜ政治が必要なのかといった根本的な問いに関心がある人。
- 論理的に物事を考えるのが得意な人:例えば複雑な事柄を整理し、筋道を立てて考えることが好きな人。
- 正義感が強く、社会に貢献したい人:例えば社会の不公平や不正に対し、法的な知識を用いて解決したいという意欲がある人。
- 文章を正確に読み解くのが得意な人:例えば法律条文や判例集など、膨大な量の文章を正確に読み解くことに苦労しない人。
経済学・経営学部系統
経済学は、お金の流れや社会の仕組みを、経営学は、企業や組織の運営方法を学びます。企業の経営者や公務員、銀行員など、将来の選択肢は非常に広いです。また、資格を取得することにも有利にはたらくことが多いです。例えば税理士については、商学部・経済学部・法学部・社会学部系統の卒業や一定の単位取得が受験資格の一つとして定められています。起業に興味があったり、お金自体やお金がもたらす影響に興味がある人にとって面白いと感じられる学びが得られるでしょう。
向いている人
- お金の流れや社会の仕組みに関心がある人:例えば、なぜ商品の値段が上がるのか、なぜ円安になるのかなど、身近な経済現象の背景を深く知りたい人。
- 数字やデータを用いて物事を分析するのが得意な人:例えば、 数学や統計学に抵抗がなく、データから社会のトレンドやパターンを読み解くことに面白さを感じる人。
- 論理的思考力と探究心がある人:例えば複雑な社会問題をシンプルにモデル化し、その本質を探求することにやりがいを感じる人。
- 将来、ビジネスや社会の第一線で活躍したい人:例えば経営者、公務員、銀行員、コンサルタントなど、幅広い分野で活躍するための専門知識と教養を身につけたい人。
国際関係学部系統
世界中の政治、経済、文化、紛争など、国と国の関係性を学びます。国際機関や商社、マスコミなど、グローバルな舞台で活躍したい人におすすめです。
向いている人
- 世界の政治、経済、文化、歴史に興味がある人:例えば 国際的なニュースや出来事の背景にある複雑な事情を深く知りたい人。
- グローバルな視点から物事を捉えたい人:例えば世界を舞台に活躍することを目指し、国際社会の課題解決に貢献したい人。
- 異なる文化や背景を持つ人々と積極的に交流したい人:例えば 海外でのボランティアや留学、国際交流イベントなどに強い関心がある人。
社会学部系統
社会の仕組みや人間関係、社会問題などを多角的に探求します。マスコミや広告、NPOなど、様々な分野で活躍できます。
向いている人
- 身近な社会問題や人間関係に疑問を持つ人:例えば、なぜ格差は生まれるのか、なぜ流行は起こるのか、といった「当たり前」のことに疑問を抱き、その本質を解き明かしたい人。
- 多角的な視点から物事を分析し、課題を解決することに関心がある人:例えば、一つの事象を様々な角度から見て、その背後にある構造や原因を明らかにしたい人。
- 人と話したり、調査したりするのが好きな人:例えば、インタビューやアンケートを通して、人々の考えや行動の理由を探ることが好きな人。
芸術学部系統
美術、デザイン、音楽、映像、演劇など、感性や創造性を活かして表現する方法を学びます。クリエイターやアーティストを目指す人だけでなく、感性を活かした企画職や広報職など、多様な進路があります。
向いている人
- 美術、デザイン、音楽、映像、演劇など、特定の分野で自身の感性や創造性を表現したい人:何かを創作することに喜びや情熱を感じる人。
- 新しいものを生み出すことに喜びを感じる人:既存の枠にとらわれず、独自のアイデアや表現方法を追求したい人。
- 感性が豊かで、それを形にしたい人:美しいものや心揺さぶられるものに感動し、その感動を他者と共有したいと考える人。
理系の学部
理学部系統
数学や物理、化学、生物、地学といった基礎科学を深く探求します。研究者になる人が行く学部というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。これらの基礎科学に人一倍興味を持って研究し、未知の発見に貢献しているのは唯一無二ですし、私たちの知的好奇心を満たしてくれる憧れの存在ですよね!
一方就職の観点で見ると、企業が「研究職」として採用するのは、修士卒以上が多いし、専門性が一致していないと、採用されない場合が多いようです。学部卒だと塾講師などが多いようです。理学部で学んだことを就職でいかしたい場合は、大学院まで含めて何を専門に研究してそれを就職に繋げるかをしっかり考えることが大切ですね!
向いている人
- 基礎科学が好きで、自然界の真理や法則を解明することに喜びを感じる人:例えば、科学の未解明な部分に魅力を感じ、探求することに情熱を注ぎたい人。
- 論理的に物事を考え、探求していくことが好きな人:複雑な問題を一つひとつ分解し、筋道を立てて解決することに面白さを感じる人。
- 知的好奇心が旺盛な人:例えば、身の回りのあらゆる現象に対して「なぜ?」と疑問を持ち、その答えを科学的に追求したい人。
工学部系統
理学部で学んだ基礎科学を応用して、モノづくりや技術開発を行います。機械、電気、情報、建築など、様々な分野があり、社会の基盤を支える仕事に繋がります。
向いている人
- モノづくりや技術開発に強い興味がある人:例えば、科学の知識を応用して、社会の役に立つ製品やシステムを創造したい人。
- 現実の問題を解決するために、論理的な思考と創造性を結びつけられる人:例えば、物事を体系的に考え、新しいアイデアを形にすることに喜びを感じる人。
- 好奇心旺盛で、探求心が強い人:例えば、機械の仕組みや電気回路の働きなど、身の回りの技術に対して「なぜ?」と問いかけ、その答えを自分で見つけたい人。
農学部系統
食料生産や環境、動物の健康について学びます。農業技術者や食品メーカー、獣医など、食と健康、環境を守る仕事を目指せます。
向いている人
- 食料生産、環境問題、動物の健康などに関心がある人:例えば、自然や生命を科学的に探求することに興味があり、それらを通して社会に貢献したい人。
- 食と健康、環境を守る仕事に就きたいと考えている人:例えば、農業技術者、食品メーカーの研究者、獣医など、人々の暮らしを支える仕事を目指している人。
- 探究心が旺盛で、実践的な学びを好む人:例えば、机上の空論だけでなく、実験やフィールドワークを通して自ら課題を解決したい人。
医学部系統
人間の身体の仕組みや病気について学び、医師を目指します。人の命を救うという、非常に責任が重い仕事です。
向いている人
- 人の生命、健康、病気に関心がある人:例えば、人体の仕組みを科学的に探求することに強い興味があり、その知識で人々を助けたいという情熱を持つ人。
- 人々の命と健康を守る仕事に就きたいと考えている人:例えば、患者と向き合う臨床医、新しい治療法を開発する医学研究者、国際的な保健医療に貢献する専門家など、高い倫理観と責任感が求められる仕事を目指している人。
- 探究心と共感力があり、実践的な学びを粘り強く続けられる人:例えば、膨大な知識の習得に加え、実習や臨床の現場で常に最善を尽くし、他者の痛みに寄り添いながら冷静な判断ができる人。
看護学・医療学・栄養学部系統
看護師、理学療法士、管理栄養士など、医療の現場で活躍する専門職を目指します。高齢化社会が進む中で、ますます需要が高まっています。
向いている人
- 人の命や健康に対して強い責任感を持ち、真摯に向き合える人:例えば 人の役に立ちたいという強い使命感と、目の前の患者さん一人ひとりと向き合う真摯な姿勢を持っている人。
- 生物学や化学、医学に強い関心がある人:例えば、科学的な探究心があり、複雑な人体の仕組みや病気の原因を解き明かすことに喜びを感じる人。
- 学習意欲が高く、継続して努力できる人:例えば、 膨大な量の知識を習得する必要があるため、地道な努力を惜しまない人。
歯学部系統
歯や口腔の健康について学び、歯科医師を目指します。人々の健康を支える重要な役割を担います。
向いている人
- 人々の歯や口腔の健康を守ることに強い関心がある人:例えば、 歯科医療を通じて、人々の健康と笑顔に貢献したいという強い思いがある人。
- 手先の器用さや精密な作業が得意な人:例えば、歯を削ったり、詰め物をしたりと、細かい作業を正確にこなすことが得意な人。
- 探究心が旺盛で、継続して努力できる人:例えば、 膨大な知識と技術を習得する必要があるため、地道な努力を続けられる人。
薬学部系統
薬の知識を学び、薬剤師を目指します。病院や薬局だけでなく、製薬会社で新薬開発に携わることもできます。
向いている人
- 薬や化学に興味がある人:例えば、薬がどのように作られ、私たちの体にどのような影響を与えるのか、その仕組みを科学的に解き明かしたい人。
- 人の健康を守るという責任感が強い人:例えば、患者さんの命や健康を預かるという重い責任を自覚し、そのために地道な努力を惜しまない人。
- 細やかな作業を正確にこなせる人:例えば、薬剤師として正確に調剤したり、研究者として精密な実験を行ったりと、几帳面で丁寧な作業が得意な人。
文理選択は「最終決定」ではなく「今の自分にとって最良の仮決定」
文系・理系の選択が将来を左右する重大なものだと感じられ、不安な気持ちになる高校生も多いのではないでしょうか。しかし、この選択を人生最終決定だと捉える必要はありません。むしろ、これは「今の自分にとって最良の仮決定」と捉えましょう。
高校生である今のあなたは、まだ世界や学問について知り尽くしているわけではなく、文系・理系の学習を進め、様々な知識や大学での学びについて触れるうちに、本当に興味を持つ対象や適性が変わる可能性は十分にあります。
また、現代の大学入試や社会では文系・理系の垣根は以前ほど明確ではなくなっており、大学に入ってから専攻を変えたり、文理融合型の分野に進んだりする選択肢もありますし、卒業後のキャリアも高校での選択によって完全に固定されるわけではありません。
大切なのは、この仮決定を後悔のないものにするために、興味のある分野の大学のシラバスを調べたり、なぜその分野に興味があるのかを突き詰めて考えたり、現時点で得意なことを優先してその分野で高いレベルを目指すことが、次のステップでより多くの選択肢を生み出します。文理選択は、あなたの未来の可能性を狭めるものではなく、今のあなたを最も輝かせるための最初のステップですから、もし途中で方向が変わっても、その時にまた最良の「仮決定」をすればいいのです。どうぞ、プレッシャーを感じすぎずに、今の自分に正直な選択をしてください。
最後に:自分が選んだ文理や学部が間違いだったかもと不安な人へ
もし、進んだ先で「自分には合わなかったかもしれない」と感じてしまっても、決して絶望する必要はありません。その「違和感」に気づけたこと自体が、あなたの自己理解を一歩深めた証だからです。
自分に何が向いていないかを知ることは、自分に何が向いているかを探す上で、何が好きかを知るのと同じくらい重要な発見です。また、たとえ第一志望の分野でなかったとしても、そこで学ぶ思考プロセスや研究手法、あるいは人との出会いは、将来あなたが本当に進みたい道を見つけた時に、他の誰にも真似できない独自の視点や武器となります。
長い人生において、無駄な学びなど一つもありません。回り道に見える今の経験が、いつか思いがけない形で未来の自分を助けてくれる日が必ず来ますから、今の選択を「失敗」と決めつけず、今の場所で吸収できることを貪欲に取り込み、その後の軌道修正のエネルギーに変えていってください。
自分の「興味」を発見したいなら、「はたらく部」がおすすめ
「将来やりたいことが見つからない」「そもそも世の中にどんな仕事があるのか分からない」……。もしあなたがそんな風に悩んでいるのなら、ぜひ「はたらく部」を覗いてみてください。実は、この記事を書いている私自身も「はたらく部」に参加して、視野が広がった経験があります。ここでの出会いや対話がきっかけで、自分の進みたい道や大切にしたい価値観がクリアになりました。
一人で机に向かって悩むよりも、まずは一歩踏み出して、社会とつながってみませんか? 今度はあなたが、自分の可能性に出会う番です。まずは気軽な気持ちで参加してみてください。
木原汰一郎
はたらく部一期生として活動後、はたらく部を運営する株式会社RePlayceにインターン生として参加。高校時代は「東京に行きたい」という思いで学業に励み、その後、東京大学理科一類に進学。はたらく部では企業課題解決コースやプレゼンバトルなどに挑戦した。インターン業務では広報用記事の作成に取り組んでいる。

